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母さん方が早起きしなければならないときに、お年寄りにかけてもらうものです。1回では起きれないので時間をおいて2〜3回かけます。あと買い物、ネコの餌やり、生け花、修理、ワープロ作成、お使い、家具の移動、送迎、話相手、庭木の剪定等もろもろのボランティアをしています。
このボランティア活動を実際にしまして、私自身“この島が変わったなあ”と思うことが3つあります。これはタイムダラーの社会的役割の数多くある中の3つでもありますが、1つは異世代間の交流ができたこと、最初はうるさいとお年寄りを嫌っていた若い人たちが、このグループの中で楽しそうに交流をしています。2つめは非市場経済。物とお金でやりとりをしていない経済が活性化されたこと。この島は殆ど交付税で全ての事が行われており島で活性されていませんでした。何故か島にいくと寂しい感じでした。今人々は生き生きと活性化しています。それともう1つは、先程アナ・ミヤレスさんが言いましたように、リーダーで女性がいろいろなアイディアで事業をしています。
1つだけどうしても紹介したいのですが、この島には保健婦さんは1人だけしかおりません。その保健婦さんをヘルプするために、「グループだんだん」の人たちがお手伝いをしているのですが、「ショートステイ」というものがこの島にありません。そこで診療所の2階を何とかして「ショートステイ」にしたい、と思いリーダー(74歳)は村長にお願いに行きました。村長は(診療所の先生にお願いしてください」とのことでしたので診療所の先生にお願いに行きましたら、「どうぞ使ってください。ただ経営は“グループだんだん”の人たちで企画して運営して下さい」ということになりました。昨日関前村に行った時にとてもうれしい話を聞きました。村長から「大阪にいる関前村の出身者の方が1000万円の寄付をしてくれています。これは村の基金として置いてあったのですが、これを“グループだんだん棚に寄付をして、診療所の経営をお願いしたいと思う」というようなお話がありました。
ですから少しづつ島が変わりつつあり、「グループだんだん」の1人ひとりが「自分たちが今やらないと、この島は人も住まなくなってしまう。いつかはそうなるのかもしれないが、そうなる間“安心して楽しく老いる島”にしたい」と話しています。私はこの楽しくというのが他の地域とはちょっと違うと思います。今「安心して楽しく老いる島」にしようと1人ひとり楽しみながら時間の交換をしています。
田中 ありがとうございました。チップを見せてもらえますか。関前村は1000人ほどの小さな村で、1時間ではなく、30分単位で交換しています。非市場経済ですからお金ではなくチップを差し上げています。そして1年に1度表彰式があるのですが、それは自分が使った時間も相手にした時間もトップの人が最高優勝になるそうで、楽しくやっています。また、この一巡が終わりますと会場の方で、アナ・ミヤレスさんやパネリストの皆さんにご質問のあるかたは少しですが時間を取りますので、ご用意していただければありがたいと思います。それでは高畑さんお願い致します。
●WACアクティブ・クラブの活動状況
高畑 WACアクティブ・クラブは全国組織です。本部は大阪にありまして、全国から入

 

 

 

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